踊る研修医のブログ

研修医の視点から、医学英語やUSMLE(アメリカ医師国家試験)の勉強法について書いたブログです。

【医学英語】医学英語の勉強としてUSMLEの勉強をするのは果たしてコスパがいいのか?-研修医1年目からSTEP1の勉強を開始するメリットとデメリット

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この記事のタイトルを見て読み始めてくださったみなさんは、

USMLE(アメリカ医師国家試験)に興味がある、もしくは現在勉強中の方々

だと思います。

そんなみなさんがUSMLEの情報を集めたり、実際に勉強して英語に挫折するたびに感じるのは、

 

USMLEって、医学英語の勉強としてはめっちゃコスパ悪いんじゃない?笑

 

だと思います。

 

なにより去年黙々と一人で医局に残って勉強しているとき、僕は1日3回くらいこう思っていました。笑笑

 

今回の記事は、

 

研修医1年間の期間の大半の勉強をUSMLEに充てて、現時点で知ることができた

USMLEを受験することによるメリットデメリット

について書きたいと思います。

この記事は、主に

 

・忙しい日々の時間を割いてUSMLEを受験するか迷っている医学生

・研修医からUSMLEを始めるのってどうなのかと迷っている研修医

 

の皆さんに読んでいたきたいです!

 

 

筆者のスペックとこれからまとめる内容の前提について

結論から言いますと、僕はUSMLEを受験してたくさんのメリットがありましたし、本当に良かったと感じています!

 

☝まあ、そうじゃないと記事にまとめないよね…笑

 

とUSMLEの記事を他人事に感じる皆さん!

僕もUSMLEの勉強を始める前は、人の書いたUSMLEの記事を読んでそう感じていました。

だって、USMLEの合格体験記を書いている人たちって、CBT9割以上得点している超優等生の人たちばっかりですもん!笑

雲の上の話だなあと感じますよね。

 

それと比較して自分は、CBT7割前半で学年でも中の下程度のほぼ平均的な(むしろ下?笑)レベルだった医学生だったので、

より一般的な意見として読んでいただけると嬉しいです。

逆に言うと、

 

これからまとめるメリットやデメリットは、平均的な医学生だった研修医が、1年目からUSMLEを受験して経験したものです。

 

その前提の上で読み進めていただけたらと思います!

メリット①:医学英語を読むスピードが格段に速くなった!

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まず第一に感じたのは、USMLEの勉強を始めて半年ほどたったのちに、学会発表のために医学英語論文を集めながら読んでいて感じたのは、

あれ、オレ論文読むのめちゃ早くなってる!

ということでした!

昔学生の時の研究室実習のときには、医学論文を読む際にはネットで逐一英単語を調べたり翻訳サイトを多用して細切れに読んでいたのですが、

USMLEの勉強をしてからは単語力や速読力がついたからか、少しわからない単語があったとしてもAbstractやConclusionの大意がすぐに把握できるようになりました!

 

1年目の終わりには、後期レジデントの先生に論文集めるの手伝ってよ~と言われ、Abstractを読んで目当ての論文を集める手助けをお願いされたりしました。

 

自分にとって大きな武器が見についた感じがして、もしSTEP1落ちたとしても満足だとさえ感じていました。笑

 

メリット②:基礎医学を中心とした医学の知識がかなり深まった!

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USMLE STEP1の特徴としては、

日本の医師国家試験ではほとんど出てこない基礎医学の勉強が不可欠である

ということです。

基礎医学は医学生であれば2-3年次など6年間のうち前半に学ぶ科目で、研修医になるころにはきれいさっぱり忘れてしまっていることが多いといわれています。

僕ももれなくそんな研修医の一人でした。笑

基礎医学の科目としては解剖学(Anatomy)や病理学(Pathology)などがありますが、なかでも自分が今回のUSMLEの勉強で臨床に役立っているとすでに実感しているのは、


生化学(Biochemistry)
薬理学(Pharmacology)
微生物学(Microbiology

 

です!

USMLE特有の知識じゃない!日本語でも勉強できるじゃん!と思う方もいらっしゃると思いますが、自分にとってはこのような機会がなかったら勉強しなかったのでメリットに含ませてください笑

 

生化学については、嫌気性代謝やケトン体などの知識が動脈血ガス分析の理解にとても役立ちました。また、電子伝達系を理解することで集中治療で学ぶ中毒の分野で役立ったなと感じています。

微生物学の知識も抗菌薬や抗ウイルス薬の作用機序や理解にとても役立ちました。

 

特によかったのは薬理学日本の医師国家試験を受験するときには自分はうやむやにしていたαやβ、ムスカリンやヒスタミンの受容体についてもすべて体系的に学べました。はじめは苦手でしたが今では臨床で出てくる薬たちの作用機序に興味が出て、薬理の勉強が楽しくなっているので本当におすすめです。

 

βブロッカー中毒にグルカゴンを使う理由も、初めて聞いた時からすっきり理解できたのもUSMLEのおかげでした!(パッとわからない方はUSMLEの勉強おすすめですよ?笑)

 

デメリット②:USMLE以外の教科書を読む冊数が少なくなった

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感じたデメリット1つ目がこちら。

USMLEの勉強に時間を割くため、相対的に研修医向けの教科書を読む冊数は少なかったかなと思います。同期と比較すると感じましたね。

 

もともとたくさんの本を読むのは嫌いだったのもありますが笑、そのぶんみんなが持っているような有名な教科書数冊は隅々まで読んで、同期や指導医から教えてもらう知識はすべてその教科書たちに書き込んで集約していました。

 

数少ない教科書を強化していく感じ、RPGでたくさん武器を購入するのではなく、少ない武器を錬成して強くイメージ?笑

 

結果的には今のところ、効率的に勉強できている感じがして正直そこまでのデメリットとは感じていませんが!

学生の時と比較して、

教科書を読むといったインプット学習よりも、アウトプット学習が大切だと思っている

ので、問題を解くなどのアウトプットを重視できたという観点から考えてもよかったのかもしれません。

 

デメリット②:職場や同期との付き合いが悪くなった笑

これが一番のデメリットだったかもしれません。笑笑

特に本番3か月前くらいからは土日などの休日はすべてUSMLEの勉強に費やし、プライベートはかなり寂しい感じとなりました。

 

これまで様々な受験勉強をしてきましたが、体感的には人生で一番ストイックに勉強したかなと思います。これはもともと賢くなかったことも関与しているかもしれないですね。笑

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

 

このように、どれだけ効率的にしたとしてもUSMLEの勉強にはかなりの時間を要するといえます。

なのでUSMLEは医学英語の勉強という観点だけで考えると決してコスパはいいとは言えないかもしれません

 

ですが、

 

合格した時にはそれ以上にたくさんのメリットや経験したことのないほどの達成感、自己肯定感を得られる

 

ので、やはり僕はUSMLEの勉強をおすすめします!

一般的な研修医がUSMLEを挑戦した際に感じたことを、率直に書きましたので少しでも皆さんの参考になればと思います。

 

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