こんにちは!うき田うき夫(@houseloveryuki)です。
今回は、僕が
ストリートダンスと医学の関係性や、ダンサーへのインタビューからダンスの起源について考えてみたこと
について、書きたいと思います!
この記事は、
・普段からダンスを何気なく踊っているが、改めてダンスの起源や持つ役割について考えてみたい方
・健康やダイエットにダンスを取り入れるのって実際どうなの?と疑問を持っている方
・そもそもダンスと医学ってかけ離れたものではないの?と思っている方
に読んでいただきたい記事です!
普段ダンスと医学について感じている事について書きたいと思います。
取り上げたいテーマはいろいろあるのですが、それは後々別の記事で書くとして今回はざっくりと広く書きます!
自分自身、医者としてもダンサーとしても半人前な立場ではありますが、読んでくださっているみなさんと一緒に学ぶつもりで書かせていただきますのでよろしくお願いいたします。
1)日本にダンスブーム到来!
最近は日本でも老若男女ダンスが広く認知されてきているなと日々感じます。
TVをつければダンスを取り入れたキャッチ-なCMが流れ、若者の間ではTikTokが流行するなど、ダンスはメディア業界やSNS上でも欠かせないコンテンツとなってきています。
ダンスが学校の体育の授業に取り入れられたのも大きなニュースとなりました。
★ダンス教育について詳しく知りたい方はこちらもチェック👇
2)そもそもダンスとは?
そもそも、ストリートダンスとはどういったものなのでしょうか?
すごく抽象的な質問ですが、普段自分が何気なく踊っているダンスというものについていろいろと考えてみました。
考える題材として、HOUSE DANCE(※1)のオリジネーター(※2)の一人である、マージョリー・スマースのインタビューを取り上げました。
マージョリー・スマースは、HOUSE DANCEというジャンルを確立させた世界的に最も有名と言っても過言ではないチームDANCE FUSIONのメンバーで、女性HOUSEダンサーにとっては憧れであり象徴ともいえる存在です。
HOUSE DANCEが好きな人であれば、日本でのHDCのショーケースを見て記憶に残った方も多いと思います。
踊りを通じて他者に愛を伝える、ピースフルな彼女のダンスは、癌との闘病の末亡くなった今でも、全世界のダンサーに影響を与え続けています。
ダンスについて考えるきっかけをもらえる素敵なインタビューなので(日本語訳付き!)ダンサーの方はもちろん、普段ダンスとはあまりなじみがない方も是非見てみてください。
このインタビューの中での言葉を引用すると、
私にとってダンスとは
成長するため、自己表現をするため
そしてより良い人間になるための素晴らしい術
他の誰も傷つけずに自分の全てを表現できるという自由があるから
若い時は純粋に楽しいから踊っていたと思うの
もちろん楽しむ、Happyでいるということは生きる上で大事なこと
でも年をとるにつれてダンスの本当の価値に気がついたの
ダンスは精神的にも、スピリチュアル的にも
そして身体的にも健康を保ってくれる
そしてダンスは伝統を世代から世代に伝えていくのにとても素晴らしい術でもある
また、普段ダンスに関わっている人たちに対しては、
より良い人間になるためにダンスの文化にかかわる人は常に懸命に学び続けなければならない
お互いで協力し合い、より良いベストが生み出せるよう努力する
何かの真似をするのではなく、自分自身を理解し深めることで自分を表現することが大事
とも述べています。
オリジネーターのダンサーたちも、ダンスと人間の健康には深い結びつきがあるのだと言っているんですね。
3)スポーツ医学の中のダンス医学について
さて、「ダンスは体にいいらしいよ。」と皆さん聞いたことがあると思います。
スポーツの中に組み込まれて考えられることの多いダンスですが(厳密にはだいぶ異なる気がしますが!)、スポーツ医学の中のダンス医学の研究はどこまで進んでいるのでしょうか?
2)で書いた通り、ここまでダンスが生活に広く浸透している背景には、ダンスが他のスポーツなどとは異なる芸術性や伝承される性質を持つためだと私は考えています。
この芸術性こそが人を感動させるダンスの良さではありますが、これが医学や科学的にダンスを解析する上で難しくなる原因でもあるなと思います。
スポーツ医学を考えるうえで、分かりやすい例を考えてみましょう。
例えば野球において早く球を投げるための研究を医学的にする場合、まず投げるときに使う筋肉や体重のかけ方、ひじや手首を解析します。
その結果、有効だと予想される筋トレや投球動作を考案し、トレーニングした後にもし球が速くなったとすれば、トレーニングの効果があったのだと野球に詳しくない人を含め誰もがわかると思います。
しかしダンスはそうはいきません。
ダンスの上手さやかっこよさはうまく数字で表せないのです。
例えばロックダンス(※3)において、例え筋肉を解析しトレーニングをしてポイント(※4)の手の動作の初速がどれだけ早くなったとしてもそれ自体がダンスの上手い下手に直結するわけではないですよね(もちろんキレは増すかもしれませんが笑)。
4)医学の世界にもダンスブームが到来か?!
このように、これまでダンスを解析するときに難しいのは、ダンスの持つ芸術性のため数字などの客観的な指標がないことだと長年言われてきました。
ですが、近年の科学や医療の進歩によってダンスも様々な機械や手法を用いて解析することが進められています。
そして解析が進んでいくなかで医学的にもダンスが身体におよぼす影響は実に大きく、運動機能や脳の機能の発達や病気の治療にも適しているのではないかと言われるようになってきました。
今医学の世界においてもダンスの認知度は急上昇しています。
ダンスは各専門家が熱心に取り組んでいる大きなテーマの一つとなってきているのです!
2019年6月現在、日本の医学論文の検索に一般的に用いられる「医中誌」という検索エンジンで検索したところ、「ダンス療法」に関する論文が214件!
世界の医学論文の検索エンジンである「PubMed」では「dance therapy」が1063件もヒットし、世界中でダンスを取り入れた治療の研究が進んでいることがわかります。
また2010年からは、各専門家がダンスに関する研究を発表しあう日本ダンス医科学研究会(JADMS)も発足し、日本でもダンス医学の研究に対する熱はどんどん高まっています。
そう、ダンスブームは医学界でも今まさに始まろうとしています!
今後も医学の目線からのダンスについての情報をお伝えすることで、けがの予防やパフォーマンスの向上など、皆さんのダンスライフに少しでも役に立てる記事を書きたいと思っています。
これまでダンスにあまり興味のなかった人も、新しい視点から興味を持ってもらえるような内容も書いていきたいです。
今後、扱ってほしいテーマや質問があればコメントよろしくお願いします。
この記事を読んで面白いなと感じてくれた方、続きも読みたいなと思っていただけた方はブクマ、フォローよろしくお願いいたします◎
※1…オリジネーター:ダンスのジャンルやスタイルを確立させた、創始者
※2…HOUSE DANCE:ディスコでかかる音楽のジャンルの一種である、HOUSE MUSICに合わせて踊るダンスジャンルの一つ。細かいステップやダイナミックなフロアワークが特徴
※3…LOCK DANCE ※4...ポイント
1970年代に誕生したジャンルの一つで、「ロック (LOCK)」という言葉の由来は、激しい動きから突然静止する様子が鍵をかける時に「カチャ」とロックする様子と似ている事からそう呼ばれるようになりました。
ちなみに「ポイント」はドン・キャンベルが踊っている時に観客から笑われ、その人を指差したのが始まりと言われています。ダンスニュースメディアサイト「Dews」引用
【参考・参照文献およびサイト】
・HP Dance Generations
・HP my Dance-【保存版】ダンスとは何か? オリジネーターの名言から学ぶ
・HP 日本ダンス医科学研究会(JADMS) 公式HP
JADMS: Japanese Association for Dance Medicine and Science
・HP ダンスニュースメディアサイト「Dews」